Thursday, November 15, 2007

イスラム教徒向け仕様車開発

イスラム教徒向け仕様車開発…メッカ示すコンパス装備
マレーシア・プロトン、イランで現地生産検討も
マレーシアの国策自動車メーカーで経営再建中のプロトンが、中東などイスラム圏での新規市場開拓を狙って「イスラム教徒向け」の特別仕様車を開発する計画を進めている。運転中にお祈りの時間が来ても、すぐに聖地メッカの方角が分かるよう専用の方位磁石を標準装備するなど、イスラム教徒が求める機能を付加したモデルを予定している。国内生産のほかにイランやトルコでの工場開設も検討している。(坂本一之)

 プロトンは三菱自動車との提携で生まれた国民車メーカーだったが、マレーシア国内や東南アジア市場で日本や欧州など海外メーカーにシェアを奪われ、経営難に陥っている。独フォルクスワーゲン(VW)と資本提携交渉を行うなど、経営再建策を模索していた。

 ◆コーランも収納

 マレーシア国営ベルナマ通信などによると、プロトンが計画しているのは、カーバ神殿があるサウジアラビア中西部のメッカの方角を示す方位磁石の装備のほか、イスラム教徒の聖典であるコーランを収納する専用ボックスや、女性教徒に欠かせないスカーフの置き場所などを備えた車を開発するという。プロトンのサイド・ザイナル社長がイランの首都テヘラン訪問中に明らかにした。発売の時期などは未定。

 ◆世界に12億人

 イスラム教徒はマレーシアやインドネシアなど東南アジアから、バングラデシュ、パキスタンやインド、イランやトルコなど南アジアから中東にかけて、さらにエチオピアやアルジェリアなどアフリカまで約12億人いるとされ、世界人口に占める割合は約20%。このうちマレーシアや中東などに多いスンニ派が約10億人、イランやイエメンなどに多いシーア派が約2億人とされている。

 プロトンは先にイランのテヘラン市当局が総額2億ドル(約220億円)を投じて進める交通機関整備プロジェクトの一環として、タクシー向けのコンパクト車「ワジャ」5000台を受注した。その過程でイラン側から、これまで世界であまり例のないイスラム教徒向け特別仕様車の開発を打診されたという。

 プロトンは、イスラム教徒の生活様式に合わせた特別仕様車を現地生産を含めて投入することなどで日欧など競合他社との差別化を図り、世界中のイスラム教徒のニーズを掘り起こす戦略だ。

 アジアの自動車市場では、インドでタタモーターズが2008年に邦貨換算で30万円以下の超低価格車の投入を計画。仏ルノー・日産自動車連合や、韓国の現代自動車もインドで超低価格車の開発を検討するなど、価格競争が始まっている。

 ◆「金融」に続け

 こうした中で潤沢なオイルマネーに沸く中東やアフリカの産油国などの国民に自動車需要が加速しており、プロトンでは価格競争よりもイスラム教徒向けに付加価値の高い製品作りで、市場開拓をめざす。イスラム圏では教義にのっとった「イスラム金融」の台頭などもあり、プロトンの動きを契機に製造業でもイスラム教徒向けの製品開発が注目を集めそうだ。

フジサンケイビジネスアイから 
 コンパス入っている車とかあったよねぇ。4区系だったけどっ。

No comments: