Friday, March 28, 2008

4年ぶり完封

一塁ベースカバーに走った岩隈が、フェルナンデスからの低い送球を倒れこみながらつかむ。9回。先頭の村松の一ゴロを間一髪で刺した。「とにかく先頭打者をとる。その思いだけだった」。執念がこもっていた。

 最多勝(15勝)を獲得した近鉄時代の04年以来、4年ぶりの完封は散発2安打、無四球。「うれしいです。苦しい時期を支えてくれた嫁さんにウイニングボールを渡したい」

 独特のしなやかなフォームから伸びのある直球、フォークでオリックス打線を寄せ付けない。さらに今季から、近鉄時代に投げていた大きく曲がるスライダーを投げるようになった。腕の調子が戻った証拠だ。1回2死二塁。ローズを内角に食い込むこの球で詰まらせ、浅い左飛に。リズムに乗った。

 右肩、右ひじ痛に泣かされ、この2年間で計6勝に終わった。オフにはひじを手術。苦しんだ分「今季は自分が投手陣を引っ張る」と目の色を変えてトレーニングに打ち込んだ。オープン戦中盤まで不調だったが、投げ込みを増やすなど懸命に調整し、田中との開幕投手争いに勝った。

 相棒の捕手藤井は言う。「2年間まともに野球をやっていない。あいつの悔しさが球に伝わってきた」

 「言うことなしだ」とうなずいた野村監督は「もう1試合、良ければ大丈夫。故障の心配だけだな」と続けた。実力は認めても、けががちな過去の記憶はぬぐいきれない。岩隈のエース復権への戦いは続く。

(27日、楽天2―0オリックス)
asahi.com

早く観に行きたいなぁ!

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